2017年10月4日水曜日

ロシア財務省は金融リテラシー教育に暗号通貨を含めることを提案した

9月29日(金)
Lenta.ru(ロシア)
https://lenta.ru/news/2017/09/29/finliteracy/
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"ロシアの金融リテラシーを高める戦略の中で、暗号通貨の話題は無視できない"
9月29日金曜日、テレビチャンネル "ロシア24"での財務省アントン・シルアノフの上記の発言について、国営通信社TASSが紹介した。


「我々財務省から見ると、暗号通貨については投資の将来性よりもリスクのほうが目立っているので、誰もコントロールが出来ず、予測もできない金融商品への投資の結果がどうなるかについての説明は、金融リテラシー教育の問題の1つになるだろう」

ロシア政府は9月25日、財務省が国民の金融リテラシーを改善するために用意した戦略を承認した。承認のサインしたのはメドベージェフ首相である、と官房広報が報じた。

同報告の中には
「戦略の目的は、適切な品質の金融商品やサービスの利用など、生活水準の向上と生活の質の向上のための必要条件として、国民の金融リテラシーの基盤を作ることです。このプログラムは2017-2019年と2020-2023年の2段階で実施されます。この戦略の実施状況を監視・管理する権限はロシア財務省に委譲されている」
とあった。

9月27日、マキシム・オレシキン経済開発大臣は、ビットコインの為替変動をロシア史上最大の金融詐欺「MMM」の株価変動を引き合いに出して比較した。

昨日アレクセイ・モイセーイェフ財務副大臣は、当局はまだ暗号通貨の規制を導入しないと述べている。

2017年10月2日月曜日

ロシア当局は暗号通貨規制の導入を見合わせた

9月26日(火)
Lenta.ru(ロシア)
https://lenta.ru/news/2017/09/26/cryptoregul/
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ロシア当局はまだ暗号通貨規制を導入しておらず、ブロックチェーン技術の合法化に専念する。9月26日(火)、ロシアの財務副大臣アレクセイ・モイセーエフがRIA通信社の取材に応えた。

「各部門の意向が統一されなかった。それに伴いまずイゴーリ・シュワロフ副首相によって監視を継続する、またビットコインというよりブロックチェーンの合法化を進めていく。それはブロックチェーンのデータ処理のメカニズムによって格納されている情報が、他の(従来の)形の情報と同じように法的な有効性が保たれるようにするためである。」


彼によると、次のブロックチェーンの規制に関しての提案の議論は3カ月後に予定されている。「ビットコインに関しては、一旦静観することに決めた。」


他国の事例を見るとデジタル通貨の規制は、法定通貨と同等に使用を許可されるものから、完全禁止に至るまで様々である、と彼は指摘する。


9月25日、国会の金融市場委員会アナトリー・アクサコフ委員長は、ロシアの暗号通貨規制に関する法案が10月までに起草されると述べた。

ロシア中央銀行エリヴィラ・ナビウリナ頭取は、暗号通貨の使用に対して反対している。暗号通貨の積極的な決済は、法定通貨の流通を損なうリスクを生み出すと考えている。

モイセーエフ氏は、8月にデジタル通貨を金融資産と見做して規制する必要があると述べた。この場合、個人による暗号通貨の購入は禁止されかねない。そうなると許認可を受けた投資家のみがモスクワ証券取引所を通じて取引を行うことができるようになると想定される。

2017年10月1日日曜日

中国のビットコインに対する思惑の真実

9月29日(金)
Bits Media(ロシア)
https://bits.media/news/nemnogo-politiki-pochemu-kitay-za-blokcheyn-i-protiv-bitkoina/

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~中国の戦略~

暗号通貨コミュニティは中国の厳しい規制以後、回復基調で、中国政府の以下の行動を予測する。
中国当局の方針は不透明なので、ビットコイン取引やトークン販売の規制がどれくらいの期間続くか、想像できない。

私たちは、その広い地政学的な意図の文脈における中国の行動を見れば、少なくともその危機の程度や、暗号通貨とブロックチェーン業界における長期的な問題や可能性を理解できるだろう。



~4つの考慮するべき点~

①中国人民銀行は、世界の他の中央銀行よりも国家のデジタル通貨問題に対して積極的だ。すでにデジタル通貨を研究している独自の研究機関を創設し、暗号通貨メディアを使ってデジタル通貨を作成する可能性について公然と議論している人材を代表者に任命した。

②他のBRICS諸国と同様に、ドルの世界的支配を止めるという中国の要望がより明らかになってきた。ロシアのプーチン大統領は、今月中国のアモイで開かれたBRICSの会談後、「準備通貨による過度な影響力を克服するためにBRICS諸国は協同していくだろう。」と述べた。

③ビットコインに関する規制とは裏腹に、中国はブロックチェーン技術を普及させたいと考えている。中国政府と民間企業は、分散レジストリ技術を開発し実装するための様々なハイレベルなコンソーシアムを構築している。中国の情報技術省は、ビットコイン取引を禁止した数日後に設立された新しいブロックチェーン研究所を支援している。

④65カ国をカバーする地上と水上のルートを開発するという9000億ドル規模の経済圏構想「一帯一路」による世界最大級の国際貿易開発計画(マーシャルプランのような)のイニシアチブを中国が握る。これは海外での経済的、政治的影響を広げることを目的としている。


~アメリカの仲介業者の排除~


中国政府が独自の条件で国際貿易を発展させ、米国の財政的、経済的、政治的覇権の制止を狙っていることは明らかである。

アメリカのトランプ大統領の登場に伴う「アメリカファースト」という戦略や新政権が外交を通じた課題解決をしようとしないこと、それが中国政府にとってイニシアチブを取るチャンスとなった。

中国のブロックチェーン業界への投資を見ると、中国政府が地政学的なメリット、特に貿易面を促進するために有用な技術としてブロックチェーン技術を検討していることは明らかだ。

例えば中国政府は、情報共有や作業の効率を上げるサプライチェーン管理システムの中でスマートコントラクト、トークンなどブロックチェーンの様々な要素が機能するよう手をかけてきた。

中国で支援されているサプライチェーン管理の分野におけるハイテクな情報更新により、ブロックチェーンに基づくソリューションはより現実的になる。


アモイでの会談で発表されたこれらの技術革新の一つ、港湾レベルで、商品や貨物船の国境を越えた移動データのモニタリングや解析情報を処理する統合電子プラットフォームは「BRICS Eポートネットワーク」と呼ばれている。

アメリカの利益とドル支配に影響を与えるため、中国はこの技術を利用しようと思えばできるだろう。中国とロシアが、このブロックチェーンに基づいた有価証券を管理する面で協力していることは既に知られている。

これら二つの国の政府がいかにブロックチェーンに基づいた様々なソリューションを検討していることは想像に難くない。

例えばこれは輸入業者および輸出業者の為替間金利スワップによる貿易債務を決済するためのスマートコントラクトやエスクロー決済といった組み合わせもあり得るだろう。


これは輸出者または輸入者が国内通貨の不利な為替変動を避けるため、中間通貨としてのドルの役割を終わらせることができる。
ウォール街から中間の銀行を排除し、取引コストを削減し、その結果米国の貿易に大きな影響を持つトライアンギュレイションシステムを弱めることになる。


これが中国とロシアがデジタル通貨を研究している唯一の理由ではないが、国家のデジタル通貨の相互のスワップソリューションを強化するだろう。

米国にとって、そのような事業は非常に重要になる可能性がある。

中国やロシアの企業が貿易決済をドルで行う必要がなくなった場合、政府はドルを準備通貨として保持する必要がなくなる。

一方、仲介業者を除いたこの貿易の決済が機能すれば、他の多くの国々は間違いなくこの成功事例に従うだろう。

アメリカにとって、ドルの支配的役割と過去70年間に受け取った利益(例えば低金利)を失うことは非常に受け入れ難いことだ。



~中国のチャレンジ~


それによって中国は経済不振から立ち上がり、超大国の地位を得ることを意味するだろうか?いや必ずしもそうではない。

必ずしも成功しないであろう理由は、現在の中国の閉鎖的な経済システムが革新の可能性を制限していることである。

中国企業は他者のアイデアをコピーすることはできるが、一般的には彼ら自身、偉大な発明家ではない(太陽光技術と近年の決済の進歩を除いて)閉鎖的な計画経済のためオープンイノベーションを促す力がない。政府が独裁政権を通じて発明を命じても、それは不可能な状態なのである。


この場合、ICOやビットコインに対する中国の動きは不本意な結果を招く可能性がある。ICOやビットコイン動きは、イノベーションを制限から解放し、新しいグローバルシステムの一部になる。

このシステムでは開発者が限られた知的財産の法的保護に頼ることなく、先述のシステムでの新しい分散アプリケーションによってマネタイズすることができるようになる。

中国の権力者が、このようなコントロールすることのできないアナーキーなクラウドファンディング的な世界に対して不満を持っているのは明らかだ。
そのため中国で行われるブロックチェーン研究の大半が、政府主導で有利に利用できる
分散レジストリ技術に焦点を当てている。

にもかかわらず中国は、制約のないオープンソースイノベーションの力を減らすことで、欧米を圧倒するための新しいアイデアやダイナミックなソリューションを自ら放棄していることになる。


共産党が生き残る可能性は、継続的な経済成長および情報・キャッシュフロー・アイデアのコントロールに直接的に依存している。しかし皮肉なことに後者なしでは前者を達成することはできない。

結果として中国は、ビットコインやその後継通貨と競争することができない。

それはそれらの暗号通貨が、ユニークなイノベーションが集積され、自ら成長可能なグローバルなコミュニティの運用に役立つ分散型で検閲耐性を持ったシステムの誕生を支えているからである。


現在のトランプ政権の政策の優先事項を考えると、米国はこの戦いで勝者になることは恐らくないだろう。しかし、中国が現在の方向性で行動し続けるならば、中国もアメリカと同じ結果になるに違いない。

かつて米国の覇権が構築されたように、自由貿易や情報のオープンアクセスの原則に基づいて活動する国や企業・個人が有利な立場に立つだろう。それがまさに暗号通貨の時代なのです。