第1章 一般条項
第1条 規制対象と連邦法の適用範囲について
1.連邦法は、電子金融資産の創出、発行、保管および流通に関連する関係、ならびにスマートコントラクトに基づく権利および履行義務の行使を規制する。
第2条 連邦法で使用する基本定義について
連邦法の目的上、以下の基本定義を使用する。
[電子金融資産]
電子形式の財産。暗号手段を使用して作成される。このプロパティの所有権は、分散型電子取引公開台帳に電子入力を行うことで証明される。電子金融資産には、暗号通貨、トークンなどがある。電子金融資産は、ロシア連邦の領土における法的支払い手段ではない。
[電子取引]
電子金融資産の作成、発行、流通を目的とした活動または一連の活動。
[電子記録]
電子取引に記録された電子金融資産に関する情報。
[分散型電子取引記録]
ある時点で形成された電子記録が体系化されたデータベース。
[分散型電子取引公開台帳]
電子取引が体系的に格納されたデータベースであり、分散型電子取引公開台帳のすべての参加者は、指定されたアルゴリズムに基づいてすべての記憶媒体上で作成、更新ができる。
[分散型電子取引公開台帳の参加者]
電子取引の登録を維持する規則に従って電子取引を行う者。
[妥当性の承認者]
分散型電子取引公開台帳を維持する規則に従い分散型電子取引公開台帳の電子記録を検証するための活動を実行する分散型電子取引公開台帳に参加している法人または個人。
[電子金融資産取引所]
ある形式の電子金融資産と他の形式の電子金融資産の交換取引、あるいは電子金融資産とルーブルまたは外貨の交換取引を行う法人。電子金融資産取引所は、ロシア連邦の法律に従って設立され、「証券市場について」(1996年4月22日連邦法 第39-FZ第3条から第5条)に規定される種類の活動を行う法人、または「組織化取引について」(2011年11月21日連邦法第325-FZ号)に基づいた活動を行う法人。
[電子記録の妥当性承認]
分散型電子取引公開台帳を保持する規則によって規定された方法で実行される、分散型電子取引公開台帳における電子記録の妥当性を確認するための法的に有効な行為。
[マイニング]
暗号通貨形式の報酬を受け取ることを目的とした暗号通貨採掘および/または取引の妥当性承認事業活動。
[暗号通貨]
分散型電子取引公開台帳を維持する規則に従って作成、管理される電子金融資産の一種。
[トークン]
資金調達を受けるために法人または個人事業主(以下、発行者という)が発行し、分散型電子取引公開台帳で管理される、電子金融資産の一種。
[スマートコントラクト]
電子形式の契約であり、権利および義務の履行は、厳密に定義された順序で、かつ特定の状況が発生したときに、電子取引の分散型電子取引公開台帳の電子取引の自動転送によって行われる。
スマートコントラクトの参加者(当事者)の権利保護は、電子形式で締結された契約当事者の権利保護のための手続きと同様の方法で行われる。
[ウォレット]
電子記録に関する情報を格納し、分散型電子取引公開台帳へのアクセスを可能にするソフトウェアおよびハードウェアツール。電子金融資産取引所のウォレットは所有者の個人認証(2001年8月7日連邦法)を通過した場合に限り作成される。
第3条トークン発行の特徴
1,連邦法では、トークン発行は、発行者から購入者へのトークンに関する権限移行に向けた活動を指す。一つのトークンにつき、発行者は一人とする。
「証券市場について」(1996年4月22日 第39連邦法)に基づいて承認された投資家でない者は、一つのトークン発行にあたり5万ルーブル以上の購入を禁止する。
「証券市場について」(1996年4月22日 第39連邦法)に基づいて承認されていない投資家によるトークンの購入は、トークン及び分散型電子取引公開台帳へのアクセス情報を交換するためのウォレット保有者である電子金融資産取引所の専用口座へトークンを移行させることによって行われるものとする。
「証券市場について」(1996年4月22日 第39連邦法)に基づいて承認された投資家がトークンを購入する場合、トークン及び分散型電子取引公開台帳へのアクセス情報を交換するためのウォレットがその投資家の名前で登録できるものとする。
2.トークン発行の手順を構成するステップについて
-トークンの発行者はトークン発行証、投資覚書(ホワイトペーパー)、その他トークン発行に必要な書類をインターネットに公開するべきである。
-購入者へのトークン配布や決済に関するスマートコントラクト形式を含む契約締結
3.トークン公募に伴う発行証に記載するべき内容について
・トークン発行者および受益者(受益者がいる場合)に関する情報:
トークン発行者および受益者(受益者がいる場合)の正式名称、所在地、トークン発行者のウェブサイトURL。
・妥当性承認者の情報:発行されるトークンの分散型電子取引公開台帳における電子記録の妥当性承認を行う者の正式名称(個人の場合、氏名、ミドルネーム含む)、所在地(個人の場合、登録住所)、ウェブサイトURL
・リリースと投資覚書(ホワイトペーパー)を保管する預託する者の情報(発行者がトークン購入者の権利を自ら管理する場合)
・トークン購入者に付与された権利および権利が行使される方法
・発行されたトークンの購入価格またはそれを決定するための手順;
・発行されたトークン取得に関する契約開始日
・購入トークンに関する決済の流れ(決済期日、決済手順)
・「証券市場について」(1996年4月22日 第39連邦法)に基づいて承認されていない者による購入は、5万ルーブル以内に限る、という記載
・分散型電子取引公開台帳管理規定
・購入したトークンに関する情報を格納するために使用されるウォレットを開くための手順、および分散型電子取引公開台帳にアクセスする方法に関する情報
・発行者が指定するその他の情報
トークンの発行証には、法人の発行者または個人発行者の代表者が正式的な署名をしなければならない。
トークン所有者の口座が発行者自身によって保管されている場合、発行者はトークン発行証と投資覚書(ホワイトペーパー)の一部を預託活動を行う者に保管させる義務がある。
4.投資覚書(ホワイトペーパー)に記載するべき内容について
・発行者に関する情報:正式名称および略称、作成目的(ある場合)、主な事業の種類
・発行者の株主(参加者)、管理体制、権限に関する情報
・発行の主目的と調達資金の使途:トークン発行があるプロジェクトの資金調達を目的としている場合、プロジェクトの概要(もしあれば事業計画を含む)と期間
・発行者が投資覚書(ホワイトペーパー)に示す必要があると判断するその他の情報
・投資覚書(ホワイトペーパー):記載されている内容に漏れがなく正確であることを保証する発行代表者による署名が入っているもの
5.トークン発行証、投資覚書(ホワイトペーパー)、分散型電子取引公開台帳を維持するための規定、その他の文書は、本連邦法に従ってトークン公募と同時に行われるべきであり、トークン発行証に記載された購入者へのトークン配布の3営業日より前に公表されなければならない。
発行予定のトークンはトークン発行証の公開前に、いかなる形態または広告を利用したいかなる手段によっても見込み顧客に対し情報提供、販売してはならない。
第4条 電子金融資産取引の特徴について
1,電子金融資産の所有者は電子金融資産取引所を通じてのみ、ある形式の電子金融資産を別の形式および/またはルーブル、外貨その他の財産に交換できる。
この場合、これらの取引はロシア中央銀行が定めた電子金融資産取引規定に従い、「組織化取引について」(2011年11月21日連邦法第325-FZ号)に基づいた取引所で行使されるものとする。
2.「証券市場について」(1996年4月22日連邦法 第39-FZ第3条から第5条) に基づいていない投資家による取引については、電子記録に関する情報を格納し、分散型電子取引公開台帳へのアクセスを可能にするウォレットの作成者である電子金融資産取引所が開設する専用口座のみで入出金ができる。なお上記専用口座の開設と管理についてはロシア中央銀行が設定する(予定の)規定に従うものとする。
第5条 本連邦法の有効化について
本連邦法は、公式発行日から90日後に効力を生じる。
ロシア連邦 大統領
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