2018年11月19日月曜日

世界での最近のブロックチェーン導入10事例


世界での最近のブロックチェーン 導入事例について、日本で記事化されていないものも多くありましたので、ざっくりとまとめてみました。





1) IBMとSeagateがハードウェア偽装防止のためにブロックチェーンを利用

国: アメリカ
分野: ハードウェア開発
目的: 偽装防止
イニシアティブ: IBM, Seagate Technology PLC
使用技術: IBM Blockchain Platform (Hyperledger Fabricをベースに)
導入予定日: 不明



2) デロイトとAttest がデジタル承認のためにブロックチェーンを活用

国: アメリカ
分野: デジタル承認(Identification)
目的: デロイトのクライアントのニーズや国家規制に合わせたデジタル承認ソリューション開発
イニシアティブ: Deloitte Global, Attest Inc.
使用技術: Attest自社開発
導入予定日: 不明



3) タイで税金支払い管理&脱税防止のためにブロックチェーンを利用

国: タイ
分野: 税制度
目的: 税金支払い管理&脱税防止のため
イニシアティブ: タイ国家収益省
使用技術: 不明
導入予定日: 不明



4) インドの石油大手Reliance Industriesが取引管理でブロックチェーンを活用


国: インド
分野: 貿易(輸出)
目的: デジタルプラットフォームでの貿易取引の効率性向上
イニシアティブ: Reliance Industries, Tricon Energy, HSBC India, ING Bank
使用技術: Cordaブロックチェーンプラットフォーム
導入予定日: 導入済み



5) CargoSmartが海運やターミナルオペレーター向けにブロックチェーンコンソーシアムを作る

国: 香港
分野: 物流(海運)
目的: サプライチェーンの全プレイヤー(海運やターミナルオペレーター、税関、物流業者など)の業務効率向上
イニシアティブ: CargoSmart, CMA CGM, COSCO SHIPPING Lines, Evergreen Marine, OOCL, Yang Ming, DP World, Hutchison Ports, PSA International Pte Ltd, Shanghai International Port Co Ltd.
使用技術: Oracle Blockchain Cloud Service
導入予定日: 2018年12月



6) アメリカ中間選挙でブロックチェーンプラットフォームが使われた

国: アメリカ
分野: 選挙
目的: 海外在住アメリカ人による選挙参加
イニシアティブ: West Virginia当局, VOATZ Inc.
使用技術: Voatzアプリ
導入予定日:導入済み



7) ベラルーシで保証取引のためにブロックチェーンを利用

国: ベラルーシ
分野: 銀行
目的: 決済速度向上、効率向上、ペーパーレス化
イニシアティブ: Priorbank、Raffaizerbank、石油工場
使用技術: 不明
導入予定日: 導入済み



8) 新生銀行やNippon WealthがConsenSysのdAppsを金融プロダクト開発のために使う

国: 日本
分野: 銀行
目的: 銀行プロダクト開発
イニシアティブ: 新生銀行, Nippon Wealth, ConsenSys
使用技術: ConsenSysのdAppソフト
導入予定日: 不明



9) マレーシアの大学とマレーシア当局が卒業証明書管理にブロックチェーン上を利用

国: マレーシア
分野: 教育
目的:  卒業証明書偽装防止
イニシアティブ: マレーシアの大学と文化省のコンソーシアム
使用技術: NEMプロトコール
導入予定日: 2018年11月10日リリース済み


10) バークレイズやその他14銀行がクレジットデリバティブ用ブロックチェーンプラットフォーム“DTCC”のテストに参加

国: アメリカ
分野: 金融ツールを対象にした清算手続き
目的: コスト削減
イニシアティブ: DTCC, バークレイズほか14銀行(名前非公開) 
使用技術: IBM, Axoni, R3のソフト
導入予定日: 年末からオープンテストへ移行





その他にも・・・


・IBMがARブロックチェーンシステムの特許取得へ

・スペインの銀行大手BBVAが初めてイーサリアムブロックチェーンに$150Mローン取引を記録した

・セールスフォースがブロックチェーンに基づくアンチスパムソリューションの特許を取得

・最近のトレンドでは「ブロックチェーン」という言葉より「DLT」という言葉が使われるように

・H&Mが衣料品のサプライチェーン管理のためにイギリスでVechainブロックチェーンを使ったテスト中

・アクセンチュアがグローバルでのソフトライセンス管理のプラットフォームをリリース。スマートコントラクト開発言語であるDegital Assets社のDAMLとDLT技術に基づいたアプリを活用している。

・シェルとBPが大手銀行とパートナーシップ。石油取引のためのVAKTというプラットフォームを今月末リリース予定。目的はプロセス最適化と紙の契約書のスマートコントラクトへの移行。

・ウズベキスタンで医療と製薬分野でデータ改ざん防止を目的としてブロックチェーン技術をパイロット導入した。ウズベキスタンでのブロックチェーンを使った実験はこれが初めて。

・IBMとスペインのTelefonica社が携帯電話での国際電話のトラフィック管理にブロックチェーン利用を計画。国際電話をトラッキングする際のデータの透明性と信頼性の担保を目的とし、技術はHyperledger FabricをベースにIBMブロックチェーンプラットフォームを利用する。

・シンガポール証券取引所がトークン化された資産の決済のためにブロックチェーン利用をテスト。目的はオペレーション最適化とリスク低減。

2018年9月5日水曜日

ロシア、仮想通貨投資運用者向け認定プログラムを発足




適切な仮想通貨運用者の認定

ロシア仮想通貨&ブロックチェーン協会(RACIB)による仮想通貨投資運用者向けの自主的な認定プログラムのコンセプトが確定した。


RACIBは仮想通貨投資運用者の適性や能力を評価し、下記のスキルを有するトレーダーは認定証が発行される:
「レポート作成」「ワークフロー」「顧客サービス」「報酬」「リスクと利益の共有」


なお、評価は下記の項目を基準にして実施される予定。


   技術分析の知識
   基礎的分析の知識
   意味解析の知識
   リスク管理の知識
   マネーマネジメント(資産運用管理)の知識
   ビジネス戦略策定力
   トレードの計画力
   マージン・トレーディング(信用取引)スキル
   自己制御力


認定証は、偽造を回避するため、RACIBのウェブサイトで確認可能な任意の番号が付与され、個人の応募者、トレーダーやファンドへ発行される。十分な得点を獲得しない申請者にはRACIBから追加研修が勧められる。





同プログラムのコンセプトを草案したRACIBの運用部門ヴァイスプレジデントであるアンドレイ・グラチョヴ氏は、RBC-Cryptoのインタビューで

5月に我々協会は認定基準の策定と認定プログラム自体の検討を開始し、現時点ですべての準備が整っており、認定プログラムは来月立ち上がる」

と話した。




認定には費用が必要

また、同氏は、複数のレベルから成るこの認定プログラムは有料であることにも言及、

「仮想通貨投資運用を専門的に行い、他者の資産を管理しようとする運用者には一定の資本力があるべきなので、認定は無料では実施されない。認定には、基本レベルから特定の経験とビジネススキルを必要とする専門レベルの複数レベルがある」

と述べた。




トレードスキル向上を目指す

なおRACIBは2018年5月に、新部門「仮想通貨取引委員会」の設立を発表していた。
この委員会の主要な役割は、立法および税制面でのベース策定、マニュアル策定、トレーダーの能力評価および認定、そしてトレードスキルの向上を目的とした拠点の構築である。



また先月同協会はOECD諸国とユーラシア経済連合のための仮想通貨関連用語集の草案を発表し、そのほかにもマイナーに対して3-5%の税率を課すことによりこれらマイナーが自営業者ステータスを得られる仕組みを提案していた。



参考: https://bitnovosti.com/2018/09/04/rakib-budet-sertifitsirovat-kriptovalyutnyh-trejderov/

2018年8月26日日曜日

最近のイギリスにおけるブロックチェーン研究まとめ


ブロックチェーンに対して積極的な姿勢をとるイギリスの最近の動きについて。


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イギリス法務省はデジタルプルーフ(デジタル証拠)を安全に保管するツールとしてブロックチェーン技術を研究している。


法務省サイバーセキュリティ・デジタルアーキテクチャ開発部バラジ・アンビル代表によればこのブロックチェーン技術によって裁判でのデジタルプルーフの処理に適用できる可能性があるという。


この研究にはHMCTS(イギリス王室裁判所・審判所サービス)の一部であるエージェンシーが参加しており、アンビル代表によると最近ワーキンググループが第一回の会合を行った。


アンビル氏はブログでこう説明した。
「アーキテクチャのスタイルとしての分散型レジストリは非中央集権性あるいは一貫性の高いデータを用いて新しいイノベーティブなソリューションを作り出すことを可能にする。」




"証拠使用共有、アイデンティティ管理や市民の個人情報管理の徹底など、一般的な課題解決のための新しい技術適用についてHMCTSでは、常に精査している。

私たちのサービス設計は価値観、シンプルさ、そして最高の近代的技術アプローチに指向を向けている。

これは効果的なコスト削減、タイムリーな開発、そして将来の画期的なソリューションを見つけるなど、私たちに多くのメリットをもたらしてくれる"



アンビル氏はブロックチェーン技術はEUのいくつかの国で既に使用されていると説明した。
特に彼はブロックチェーン技術を使ったアイデンティティ管理のイノベーティブなソリューションを開発したエストニアをあげた。

また彼はHMCTSが年末に部門間でのデータ交換実験を実施する予定であることを強調した。



昨年11月、法務省のテクニカルアーキテクチャ開発部門のアリスター・ディヴィッドソン代表はブログ記事でブロックチェーン技術の活用事例について述べた。しかしその当時、彼はイギリス当局がこの分野のパイロットプロジェクトに取り組んでいることは言わなかった。

「政府に対する国民の信頼が絶対的ではない状況においては、この分散型トラストの特性は本当に革命的なものになる可能性がある。」

とディヴィッドソン氏は書いた。



イギリス政府は以前からブロックチェーン技術に対する関心を何度も表明している。

7月にはイギリスFCA(金融行為規制機構)とロンドン証券取引所はイーサリアムによる資産のトークン化をテストすると発表した。
そしてすぐにこの後、イギリスがスマートコントラクトを合法化するという情報が出た。イギリス立法委員会はブロックチェーンに基づいたスマートコントラクト活用における法整備を研究するための研究プロジェクトを開始したのだ。

その他、先月にはイングランド銀行がRTGS(即時グロス決済)システムとブロックチェーンを組み合わせる計画を明らかにした。



イギリス政府はブロックチェーンに対して積極的な姿勢であるが、もしイギリスのEU脱退が中途半端な形で決着すれば、イギリス国内のブロックチェーンスタートアップはすぐに法的問題に直面するかもしれない。


[参考] Bits Media (ロシア)
https://bits.media/ministerstvo-yustitsii-velikobritanii-testiruet-blokcheyn-dlya-khraneniya-tsifrovykh-dokazatelstv/

2018年8月22日水曜日

ブロックチェーン技術導入におけるグローバルリーダーとしてのウクライナ






“ウクライナは分散レジストリ技術導入におけるグローバルリーダーの一国に位置付けらる”

ブロックチェーンの有識者であるドン・タプスコット氏によるレポート内でウクライナについてこう書かれていた。
具体的な事例を見てみましょう。


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ウクライナの港湾でe-Portシステムに基づくブロックチェーンソリューションを導入

https://forklog.com/morskie-porty-ukrainy-zadejstvuyut-blokchejn-resheniya-na-baze-sistemy-e-port/


ウクライナで個々のコンポーネントがブロックチェーン技術をベースに動作するe-Port 4.0システムをニコラーイフ港、オデッサ港、ユージヌィ港で導入する予定であると、ウクライナのインフラ省オメリャン大臣が会見で発表した、とNikVesti通信社が報じた。

オメリャン氏は港湾会社”Olviaによるe-Portの導入の成功事例をウクライナの海洋産業全体へ適用することを予定しており、その実施により港湾業務の可視化および効率化が促進されると説明した。

オメリャン氏は

e-Portシステムの開発と導入自体の新規性、そして港湾業界における改革プロセスの特異性と複雑さを踏まえ、我々はまず一つの港での作業を全て自動化するというパイロットプロジェクトからこの取り組みを始めることを決め、そのプロジェクトの場として”Olviaを選んだ。このパイロットプロジェクトが非常に良い結果を生んだことを嬉しくう」

と述べた。 

また、同氏は、同港での貨物のクリアランスおよび処理に要する時間が34.4%短縮されたことを強調した。


同氏によれば、ウクライナのインフラ省は、同国の海洋産業のデジタル化と港湾における業務プロセスの自動化をこの2年間積極的に推進してきたという。e-Portの開発にはウクライナの港湾管理局、港湾自体、国営港湾会社および国営鉄道が携わっている。

「輸送業界の業務に対する信頼度を高めるため、個々のコンポーネントのブロックチェーン技術への移行テストを既に行っている。特にe-Port 4.0では、トランザクションの偽造や改ざんが不可能になり、年末までにe-Portはこのシステムに完全移行する予定である」

とオメリャン氏は付け加えた。


今回の会見には、港湾会社”Olviaのオレイニク代表とE-Ukraine社のステファノヴィッチ代表も同席した。

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もう一つはブロックチェーンNEMによる投票システムをテスト導入したという事例。



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ウクライナがブロックチェーン「NEM」による投票システムをテスト導入



ブロックチェーン「NEM」による投票システムがウクライナにてテスト導入され、その結果をウクライナ中央選挙管理委員会のステルマフ代表が報告した。

このテスト導入は、仮想通貨XEMを無償提供したNEM財団の協力のもとで今年7月に始まり、同仕組みにて、29,2151票ずつに0.3XEMの率での手数料を取引者から自動徴収している。


ステルマフ氏は

「したがって各投票所における選挙結果をNEM上で保存するのにかかる概算費用は、8,765XEM = 1,227米ドルとなる。私見だが、このような社会的に重要なデータの永久保存においてこれは小額の費用だと言える」

と述べた。

また、28のノードを持つNEMの構造によって、投票者は1KBまでの任意のメッセージをトランザクション毎に添付出来るという。

ステルマフ氏によると、この試みは現在も継続中で、希望すれば誰でも参加することができる。

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2018年8月9日木曜日

海外での仮想通貨税金事情 ~ロシア、アメリカ、欧州






今日決済手段として広く使用され始めたにもかかわらず、仮想通貨は依然として正式な地位を得ておらず、法的に隔絶された空間に身を置いている。

しかし多くの国の規制当局と財政当局は、仮想通貨のステータスを定義しようとしているだけでなく、新しい法的ルールや規定を積極的に定め税制を導入することにより仮想通貨をコントロールしようとしており、今年は仮想通貨市場の規制の年になると思われる。

世界のいくつかの国でこの課題がどのように対処されようとしているか見てみよう。




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★ロシア★



ロシアで仮想通貨は正式な決済手段としては認められていない。

【検討中の3法案】

現時点では、仮想通貨での活動に関するいくつかの法案がロシア連邦議会下院で検討中である。
主なものは以下のとおり。

    「デジタル金融資産に関する法案」

議会下院の金融市場委員会委員長であるアナトリー・アクサコフ氏が率いる議員グループが提示

    「ロシア連邦民法1編、2編および4編の改正について」

「デジタル著作権」(トークンとICO)や「電子マネー」(決済手段としての仮想通貨)を分けるクラシェニニコフ氏とヴォローディン氏による法案

     「投資誘致のための代替方法」

トークンの発行と交換の観点からのクラウドファンディングについて)



下院議員と専門家によると、これらの法案は相互に関連としたものとして下院で今秋行われるセッションにて検討される。



【デジタルライトという新しい概念】

2018713日、アクサコフ氏は記者団に語った。
「銀行、財団や大企業のためのデジタル金融資産」という円卓会議の合間にて下院によって検討される法案に基づき、デジタルマネーは基本的に”デジタルライト”(デジタル著作権)のように位置付けられ、取引が許可される見込みだ」

このために、デジタル資産が、所有物としてではなくデジタル財産権の新しいタイプとして扱われるよう既存の税法に変更が行われる予定。

【課税についての方針】

2018年7月下旬にアクサコフ氏が「イズベスチヤ」紙の取材に答えた
「現在検討中の法案には仮想通貨所有者に対する特別な税制は含まれていない。ロシアでは、マイナーとデジタル通貨保有者に対する仮想通貨に関する課税は、税法の規範に従って行われる。仮想通貨トレーダーおよび個人は個人所得税13%を支払い、法人はその事業形態に従って課税される予定だ」
しかし同氏はこう続ける
「仮想通貨に対する個別の税制が導入される可能性を排除せず、当局がそのような動きを示す場合には、流通中の仮想通貨に個別の税制を導入する可能性はある」


一方、ロシア連邦財務省は、デジタルマネーに関する法律の採択後でなければ、仮想通貨のマイナーや所有者に対する課税は出来ないと強調した。同時に、現行の法律ではロシアでの唯一の合法的な決済手段はルーブルであるため、デジタルマネーによる日常生活での個人間の決済の合法化は予定していない。


ロシア国防総省の仮想通貨売上についてのリスク評価に関する異分野間ワーキンググループの責任者であるエレーナ・シドレンコ女史は、「Hash Telegraph」とのインタビューで、仮想通貨は国境を越えた行き来があり、高い犯罪リスクを有していることから、仮想通貨空間のための統一FATFスタンダード(国際社会で認められるためには必要)が制定されるまでは、仮想通貨を規制する国内法の採択は難しいと述べた。


★アメリカ★


不思議なことに金融市場におけるイノベーションで知られるアメリカでは、仮想通貨は通貨としてまだ扱われていない。ビットコインをアメリカで所有することは通貨の所有ではなく、財産の所有ということになる。

【課税についての方針】

アメリカ合衆国においてすべて仮想通貨取引は、「財産」に適用される税制の原則に基づいて課税対象である。しかし実態として米国税法第1031条の改正前は、一般の貨幣と交換する場合以外、税金を払わずに仮想通貨の取引が行われていた。しかし2018年の改正後、仮想通貨を使用するすべての取引は取引が完了する領土内で課税されるようになった

個人所得税に関しては、仮想通貨の保有が1年未満の場合10%〜37%、1年以上の場合は長期キャピタルゲインに対して最大24%の税率となる。

仮想通貨にて商品やサービスを販売するアメリカの納税者および居住者は、仮想通貨による収入を売上時の為替レートにより米ドルで申告し、税法に従って納税しなければならない。
仮想通貨からマイナーが得る収入だけでなく、賃金、家賃や賞金など仮想通貨に関連する全ての収入は、その受領時点の米ドル為替レートにて計上し、一般な所得同様に課税対象となる。


【規制当局の動き】

米国証券取引委員会(SEC)は仮想通貨市場の規制を強化し、仮想通貨を高リスクの投資ツールとして位置付ける方向である。その一方で、米商品先物取引委員会(CFTC)は、公開された下でという条件にて仮想通貨のデリバティブ取引を許可した。

【マネーロンダリング対策】
アメリカ合衆国財務省では、仮想通貨がマネーロンダリングの手段として使用されていると疑っており、違法行為者に警告を送るために市場を綿密に調査している。
しかし、集中的な管理から離れるために構築されたブロックチェーンのネットワークにてどれだけ匿名の取引を制御できるかは、不明確である。


★カナダ★


カナダは仮想通貨にかなり肯定的であるようだ。カナダは2014年にデジタル通貨に関する法律を世界で最初に採択し、自国でこの市場を規制しようとしている。カナダの消費者保護担当機関は仮想通貨を合法的な通貨として見ていないものの、2017年からは仮想通貨に関する取引および市場操作にはカナダの証券法が適用されている。

カナダの税務当局によって仮想通貨で販売された商品およびサービスの販売をバーター取引とみなさしており、仮想通貨の販売、マイニングからの収入および賃金は一般的な課税対象とされている。


★イギリス★


【仮想通貨=外貨】

イギリスはビットコインと他のアルトコインは外貨とみなし、外貨に関する既存の規範を適用している。同時に、ビットコインとの取引は投機的と見なされ、同種の取引は法律上非常に広範に捉えられるため、課税していない。
イギリス金融監督当局は、信用力の乏しいユーザーおよび信頼度の低い取引を報告することを仮想通貨プラットフォームに対して義務付け、仮想通貨市場の匿名トレーダーを開示することを今でも予定している。


★EU★


【ビットコインを通貨として認める】

法的な決済手段として使用される通貨、紙幣および硬貨の流通を規制するための規定に基づき、ビットコインのオペレーションを付加価値税VATの支払いから解放したため、2015年に欧州裁判所はビットコインを間接的に通貨として認めた。

【EUと各国の対応のずれ】

また欧州中央銀行はビットコインを転換可能な分散型仮想通貨に分類したが、一方でEU加盟国それぞれの財政当局はビットコインと仮想通貨の一般的なステータスを明確にまだ定義していない。
EUの金融監督当局は、信用力の乏しいユーザーおよび信頼度の低い取引を報告することを仮想通貨プラットフォームに対して義務付け、仮想通貨市場の匿名トレーダーを開示することを予定している。


★ドイツ★


【購入後1年以上経過した場合、キャピタルゲイン税は発生せず】
ビットコインは株式や債券のようなプライベートマネーと投資の手段の一種とみなされている。ビットコインは、購入後1年以内に納税義務が発生した(「発生した」は事件や天災などと同様に使われるのが一般的)場合、キャピタルゲイン税率25%の対象となる。購入後一年以上が経過すると、キャピタルゲイン税は発生せず、取引は個人による売却であるとみなされる。ドイツ連邦銀行は仮想通貨市場の世界的な規制強化を求めている。


★フランス★


フランスの財務・公会計省は仮想通貨市場の世界的な規制強化を求めている。


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このように世界どの国においても、仮想通貨およびそのさらなる規制に関する明確なビジョンをまだ持っていない。

しかし規制を求める声はすでに高まっている。年内には100%ではなくとも仮想通貨自体およびトレーダーに対するして規制する各国の試みが見られるだろう。

2018年7月27日金曜日

仮想通貨版「40 Under 40(ビジネス界で最も影響力のある40歳以下の40人)」を発行/ 米Fortune誌

2018年7月25日(水)
forklog(ロシア)
https://forklog.com/u-rejtinga-40-under-40-poyavilas-kriptovalyutnaya-versiya/



米国フォーチュン誌(Fortune)は、自身の「40 Under 40(40歳以下のビジネス界で最も影響力のある40人)」の仮想通貨版を発行し、分散型レジストリ技術をベースに仮想通貨やその他ソリューションを推進する「金融革命」のリーダー達を選出した。


このランキング「The Ledger 40 Under 40」の1位には米国の仮想通貨取引所「Coinbase」のブライアン・アームストロングCEOが輝き、フォーチュン誌は同氏が仮想通貨をごく狭い枠組みから引き出したと讃えている。2位は仮想通貨「Ethereum」の考案者ヴィタリック・ブテリン氏である。


3位には、企業価値が120億米ドルとも言われている中国のマイニング企業「Bitmain」の共同設立者ジハン・ウー氏が輝いた。とりわけ、フォーチュン誌は同氏がビットコインキャッシュ(BCH)を支援しており、ステーブルコイン(安定通貨)に関心を寄せていると記している。


また、このランキングには、これまで金融界の伝統的な分野での役職歴任者兼仮想通貨愛好者も含まれている。例えば、8位に選出されたアンバー・バルデット女史はJPモルガン・チェース(JP Morgan Chase)銀行のブロックチェーン責任者であったが、ブロックチェーンのスタートアップ「Clovyr」の共同設立者兼「Quorum」プラットフォームの開発責任者として今回ランクインしている。ちなみに彼女は非営利団体「Zcash Foundation」の取締役にもなったばかりだ。


そして、バルデット女史の後任としてJPモルガン・チェース銀行のブロックチェーンプログラムの責任者となったクリスティン・モイ女史は18位にランクインしている。 また、6位にランクインしたラーナ・ヤード氏と20位のジャスティン・シュミット氏は両者ともゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)社の代表で、ウォールストリートでのビットコインの普及に貢献した。


また、このランキングには、ウィンクルボス兄弟(8位)、ビットコインキャッシュ(BCH)のサポーターであるロジャー・バー氏(36位)、「Block.One」の技術責任者であるダン・ラリマー氏(12位)や「Bitstamp」社のCEOであるNeich Kodrich氏(29位)も選出されている。


以前、当社は我々独自の「40 Under 40」ランキングに仮想通貨業界から6人がランクインしたと報道していた。

IT企業「Stripe」社のCEOパトリック・コリソン氏と同社の社長であるジョン・コリソン氏は当社のランキングで17位(仮想通貨ランキングでは4位)を占め、前述のブライアン・アームストロング氏は20位、同じく前述のブテリン氏は22位であった。

24位には仮想通貨取引アプリケーション「Robinhood」の共同設立者であるヴラッド・テネヴ氏とバイジュ・バット氏がランクイン(仮想通貨版では5位)し、メッセージングアプリ「Telegram」およびブロックチェーンプラットフォーム「TON」の創業者であるパヴェル・ドゥロヴ氏は25位(仮想通貨版では10位)であった。

2018年7月19日木曜日

スキャム一掃作戦!ロシアのRACIBが暗号通貨関連企業のホワイトリストを作成開始


2018年7月13日(金)
RBC.ru(ロシア)
https://www.rbc.ru/crypto/news/5b485ba49a79475611773e3b

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ロシア暗号通貨ブロックチェーン協会(RACIB)は、過去6ヶ月間に詐欺師がユーザーに対して与えた損害が2億7000万ルーブル(約5億4000万円)に上ると試算した。この状況を受けたRACIBの専門家は、マイニング、投資、ICOに関連した事業を行う企業のうち信頼できる企業の登録簿を作り始めた。


ホワイトリストに追加されるためには、財務の安全性、経験の有無と事業の評判、ライセンスと証明書の提出、裁判経験の有無、税金の滞納など自主的なデューデリジェンスチェックを受けなければならない。リストには現時点ですでに52社が登録されており、さらに30社が審査中である、という。


RACIBは「このホワイトリスト記録制度のおかげで、ロシア国内の個人および法人が暗号通貨とブロックチェーン関連の請負先を選定する際に役立ち、ビジネス構築におけるスキャムを減らすことができる」と述べた、とIzvestiaは報じている。


ロシアのクリプト業界では、詐欺師とアマチュアのどちらも入りやすい市場であり、犯罪や専門知識不足が主な課題であるとRACIBアルセニ・シェリツィン会長は話す。


以前RACIBはスキャムICOを見分ける基準をリスト化し報告した。RACIBの専門家はICOの品質をチェックするために、当該プロジェクトとそのチームの実績、HPの有無、経営者のバックグラウンド、ロードマップホワイトペーパーなどについて調査している、という。

2018年3月19日月曜日

ロシア中央銀行、ブロックチェーン上に預金者の統合登録簿を作成


2018316
Bits media(ロシア)



来年ロシア銀行と預金保険機構(DIA)は、ブロックチェーン技術に基づき預金者の統合登録簿を作成する。

まず第一に、これは銀行が免許を失効した際、預金者のデータベースを破壊する悪徳な銀行家に対抗するのに役立つ。

加えて、このようなシステムは、銀行預金市場の透明性を高めるはずである。
口座を開設すると、すべての情報(個人データ、銀行名、金額)がブロックチェーン上に記録され、中央銀行のサーバーを含めて保存される。


ブロックチェーンからデータを削除、変更することはできないため、預金者に関するすべての情報は確実に保護される。これは、銀行のライセンスが取り消されたときに預金者のデータベースが“消失してしまった”という状況を避けるのに役立つ。


中央銀行は、このような制度の創設がロシアの預金市場の発展に好影響を与えるはずだと考えている。
顧客は自身のデータがさらに保護されるということを知れば、銀行が破綻した際にでも自信を持って保険報酬に頼ることができ、口座を開く意思がより強くなる。中央銀行によると、昨年の預金市場は7.4%増加し、26兆ルーブルに達した。

中央銀行に近い情報筋によれば、ブロックチェーンに基づいた第三者の技術が使用されるのか、それとも独自の技術(例えば、masterchainプロジェクト)が使用されるのかは明らかではないが、これはコントロール可能なブロックチェーンであることは明らかである。


監査法人”2K”のマネージングパートナであるタマラ・カシヤノワ氏によると、「今日、世界でこのような統合登録簿はどの国にも存在していません。」という